ファミリーマートの新商品「伝説のケバブ風味ポテトチップス」が大きな問題となっている
「ファミマ」のハラール問題で
細見研介の「伊藤忠」社長就任に暗雲

2025年9月22日

 コンビニエンスストア店舗数2位のファミリーマート(以下ファミマ)が9月初旬に発売した「伝説のケバブ風味ポテトチップス」に関し、大きな問題が起こっている。お笑いタレントの江頭2:50氏とのコラボ商品だ。江頭氏はキャンペーンのために、ケバブの発祥地であるトルコを訪れ、地元の人達に試食してもらった。トルコは人口のほとんどがイスラム教の国だが、同商品にはイスラム教では食べることが禁じられている豚肉の成分が含まれていた。それを食べさせた、ということになる。トルコ国民の99%がイスラム教徒である。ハラールでない製品は食べられない。「信じられないミス」と絶句するのは食品業界紙デスク。「江頭氏は商品に豚肉が使われていることを知らなかったようだが、ファミマの担当者がトルコに同行していたという。四半世紀前、味の素が同じ失敗をして大変な目に遭っているのにお粗末という他ない」とその杜撰さに驚く。2001年1月、人口の87%がイスラム教徒のインドネシアで味の素の現地法人社長ら数人が消費者保護法違反容疑で逮捕される事件が起きた。うま味調味料の製造過程で触媒として豚から抽出した酵素が用いられていた。「今回の件はファミマ社長の細見研介氏には相当なマイナス点になってしまった」と話すのは親会社の伊藤忠商事の関係者。伊藤忠商事の執行役員だった細見氏は21年3月、ファミマの社長に就任した。25年2月期の事業利益は850億円と過去最高を計上。ファミマでの成果を引っ提げて、近いうち伊藤忠商事に戻ると見られていた。15年間、トップの座にある岡藤正広会長CEOの懐刀でもある。同社では「会長が次期社長を指名するのがならわし」(関係者)となっている。突如、降りかかったイスラム問題をどう乗り切るか、細見氏にとっては正念場である。

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